2020/3 出版流通学院
書店に入って「さぁってと!どんな本があるかなぁ~どれがいいかなぁ~」と本棚を見渡したとき、ついついPOPに目がいき、「これは何だろうか?」「よさそうだぞ!」「ふむふむ…」と、本を手に取って中身を読んでいることがありますよね。
そんな、ひと目見たとき思わず手にとりたくなってしまうPOPについて、今回はみていきたいと思います。
書店員さんはPOPを書くのが好き?
出版流通学院では 2019年夏、全国の書店員さんを対象に『書店で働く方々へのマインドアンケート調査』を実施しました。その調査で、様々な書店の業務の中から「好きな業務」と「苦手な業務」を聞いています。
その結果、「POP作成」は好きな業務の中で第6位(35.5%)にランクインしました。
書店員さんはやっぱり、色々なPOPを作って、おすすめの商品をお客さんにアピールしたり、売上UPにつながる効果的なPOPを作るのが好きなのね、と思いつつ、苦手な業務もチェック。
なんと、苦手な業務の第4位(19.6%)にもランクインしているではありませんか!
これはもしや、POPを作るのが得意な人と苦手意識を持ってる人が二分しているということ?
そういえば、ある書店ではPOPを作るとき、ひとりで1から全て作るのは気が重いけど、“文字を書くのは得意な人” 、“イラストを描くのは得意な人”、“デコるのは得意な人” など、みんなの得意を集結させて、小さな1枚の用紙からPOPを作り上げていると聞いたことがあります。
これこそ、適材適所の分業体制。苦手はあれど、いろいろな人の思いが詰まったそのPOP、お客さんに伝わらないわけがないですよね。
▶ もっとくわしく「書店で働く方々へのマインドアンケート調査結果」
実際にPOPをつくってみた
出版流通学院では、POPの基本を学べるセミナーを開催していて、
講師は、すごい販促「すごはん」の増澤 美沙緒先生(通称:まっすー)。
文字やイラストが苦手でも心配いりません!
お客様が足を止める宣伝文句から、ペンの持ち方、イラストの描き方まで、増澤流POPを習得すれば、誰にでも「売れるPOP」がつくれるようになります!!
というわけで! わかる方にはわかる
久満子(くまこ) 卯三男(うさお) 登場。
早速、増澤先生のセミナーを受けた私たち、実際にPOPを作ってみました。
イメージは、
≪ふわっと、ガーリー風 🍭≫ 所要時間:15分
① 用意したもの
・タイルシール 数個
(オレンジ色・黄色)
・スイーツパーツ いろいろ
・吹き出し
➁ 下書き ➡ ペン入れ ➡ 色つけのポイント
・下書きの時点で、使うパーツのおおまかな配置を決めておく。
・ペン入れのポイントは、ガーリーな雰囲気を出すため、まるもじを意識。
・色つけの際は、文字が読み難くならない程度の濃さにし、今回は、柔らかい印象にするため、色鉛筆をチョイス。
③ デコレーションのポイント
・使用する色の系統を合わせて、遠くからでも目立つように。
・手書きのイラストを入れ、やわらかい雰囲気とオリジナリティーを演出。
・吹き出しコメントを手書きにすることで信憑性を高める効果あり。
・デコパーツを使って、作業時間を短縮しつつも、3D効果で注目度はUP。
お客さんに伝えたいポイントや役立つ情報は何だろう?と考えながら作っていたら、なんだかとっても楽しくなってきてしまった私たち
もっと作りたい!
≪春だから、学習参考書風 📚≫ ≪ひんやり、ミステリー風 🦇≫
も作っちゃいました。
≪春だから、学習参考書風 📚≫ 所要時間:5分
◆ 用意したもの
・さくら柄のマスキングレープ
・学用品モチーフの消しゴム
◆ ポイント
・チェックボックスを使って学校っぽさを演出。
・スペースが空いてしまったら、マスキングテープで埋めれば、簡単に華やかな印象に。
≪ひんやり、ミステリー風 🦇≫ 所要時間:10分
◆ 用意したもの
・幾何学模様のマスキングテープ
・ぷっくり羽シール
◆ ポイント
・文字を縦長に描いて、ミステリアスな雰囲気に。
・文字の下に線を引けば、フリーハンドのゆがみも目立たなく。
・斜めのレイアウトを使って、目を引くデザインに。
どうでしょうか?
これらのPOPを商品と一緒に並べるとこんな感じ。
ガーリー風 学習参考書風 ミステリー風
「これんなんだ?」と手に取ってみたくなりましたでしょうか?
なりましたよね!(笑)
きっと、私たちの「書店員ハンドブック」に対する、推しの熱量や、思いは感じるものがあったのではないでしょうか?
手書きPOPは、作業スピートのアップにコストダウンも図れるすぐれもの。
みなさんもぜひ、手書きPOPに挑戦してみてくださいね。