2022/1 出版流通学院
“ 出版物 ” が読者のもとに届くまでには、さまざまなルートがあり、「書店」「コンビニ」「インターネット」「電子出版物」「図書館」「教科書」など、その場所や手段もいろいろです。
「出版物販売額の実態」では、その読者との接点を ❝タッチポイント❞ と定義し、各タッチポイントの市場規模をまとめています。
ここでは、2020年度の主なタッチポイント別の市場規模を見てみましょう。
業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。
▶ 出版市場統計「タッチポイント別 出版物市場規模」のページ
「書店」の市場規模
下記グラフは、
「書店」の市場規模を、5年推移のグラフで表したものです。
2020年度の「書店」の市場規模は、8,519億円(前年比99.3%)となりました。
徐々にその減少幅は縮小しているものの、5年前の2016年度は、10,894億円でしたので、約21.8%の落ち込みとなります。
また、市場規模の減少とともに、閉店する書店も増え続け、2020年度の全国書店数は、8,789店となり、2019年度より、更に453店減少しました。
そのような中、書店数の増えた都道府県があります。山口県、香川県、高知県の3県です。香川県では、2019年度より4店舗も増えました。
タッチポイント別の市場規模
下記グラフは、
主なタッチポイント別の市場規模を構成比で表し、2019年度と2020年度を比較したものです。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇2020年度 タッチポイント別市場規模 構成比(%)
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇2019年度 タッチポイント別市場規模 構成比(%)
変わらず、タッチポイントの1位を維持している「書店」ですが、その市場規模は、主なタッチポイント別構成比の半数を割り、40.6%となりました。
2019年度から見ると、2.6ポイントの減少です。
構成比の2位は、「電子出版物」の22.6%(4.7ポイント増加)。3位は、「インターネット」12.6%(1.6ポイント増加)と続いています。
新型コロナウイルスの猛威に見舞われた2020年度、自宅で過ごす時間が増え、本の需要が高まったことや、爆発的なヒットを記録した人気タイトルが、「電子出版物」や「インターネット」のシェア増加の要因と考えられます。今の環境や状況から考えると、その増加率は更に増していくことでしょう。
今後も、読者へのルートとして、インターネットを経由したタッチポイントとリアルを経由したタッチポイントに注目していきたいと思います。