2019年9月6日
1.改めて振り返り
ー書店経営指標とは?
書店経営指標とは、全国の書店様からのアンケート結果をもとに、日本最大の出版流通会社である日販が、集計・分析した冊子のことです。
最新の『書店経営指標2019年版』でアンケートにご協力頂いた書店様は74企業、615店舗!日本全国の全ての書店様の、実に20店舗中1店舗以上がお答え頂いた計算になります。(あなたの街の書店様もお答え頂いているかも!?)
日本最大の出版流通会社である日販だからこその、ネットワーク・情報収集力を活かして集められたアンケートを、スタッフが2ヶ月以上かけて分析・編集しています。さらに書店経営指標の初版は、今から56年前の1963年。以降、毎年発行するにあたって脈々と受け継がれてきた分析ノウハウを結集させて出来た1冊なのです。
2. 書店経営指標で分かること
さて、そんな書店経営指標に掲載されているデータ数はいくつだと思いますか?100?200?まさか1,000?
答えはなんと・・・4,959データです!(頑張って数えました(笑)) 56年のノウハウは伊達ではありませんよ。
例えば第二部の『店舗編』では、立地だけでも『駅ビル』『駅前』『商店街』『SC内』『郊外』と5区分に分かれていますし、月商でも『1,000万円以下~』『3,001万円以上』までの5区分、坪数も『100坪以下』から『401坪以上』までの5区分に分かれており、その各区分での数字が掲載されているのです!
ここまで細かい区分にしているのも、各書店様に“ハマる”、よりリアルな区分での数字を見て頂きたいから。『うちの店舗に当てはまる区分が無いから、良く分からない』こんな声を少しでも無くしたいのです。
また『書店経営指標』の特徴は何といっても、第二部の『店舗編』で、営業利益率がプラス=儲けが出ている店舗の平均を知ることが出来ること!
・売上総利益率
・人件費率
・地代家賃率
・1人当たり売上高
・労働生産性
・人時生産性
・労働分配率
・パートアルバイト比率
・年間坪売上
・月間坪売上
・坪在庫
・商品回転率
・交差比率
・買上客単価
これらのデータ全てで、『儲けが出ている店舗』の、区分ごとの平均数値を知ることが出来ます!
『何だかうちの店舗でも参考に出来そう』と思えて来ませんか?
3. 書店経営指標の使い方
56年の蓄積ノウハウで分析された4,959データを使って、『書店経営指標』ではどんな分析が出来るのでしょうか?もちろんご購入された書店様によって様々な分析が可能なのですが、ここでは3つの例をご紹介いたします。
活用方法①『儲かっている店舗』の人件費・地代家賃・その他販管費率の割合を知る
このグラフは、2019年版のアンケートにお答え頂いた615書店の、売上総利益率(粗利率)平均29.1%に占める、人件費率、地代家賃率、その他販管費率、営業利益率の割合です。全体平均としては、人件費率=12.0%、地代家賃率=7.9%、その他販管費率=6.7%、営業利益率=2.5%でしたので、売上総利益率を100としたときの円グラフは上記のようになります。
ですが、これはあくまで『全体平均』。これを、例えば『Bookの売上構成比50%未満』かつ『儲けが出ている店舗』のグラフにすると・・・
人件費率は上がっていますが、その他販管費率を中心に圧縮し、結果として営業利益率が上がっているのがお分かり頂けると思います。
さらに今度は立地を変えて『駅前』かつ『儲けが出ている店舗』のグラフにすると・・・
地代家賃率が全体の3割以上を占めるグラフになりました。
このように、一言に『儲けが出ている店舗』と言っても、商材の構成比や立地タイプ等によって、いくらまで人件費に掛けられるのか、地代家賃率はいくらに圧縮する必要があるのか、全く違ってきます。ぜひ自店のタイプに合わせた目安をご確認頂ければと思います。
活用方法② 伸びている立地を知る
上記グラフは『駅ビル』『駅前』『商店街』『SC内』『郊外』の5区分の立地を、売上高前年比100%以上の店舗数割合が多い順に並べなおしたグラフです。最も前比100%超えの店舗数が多い立地Aと、最も少ない立地Eでは、5倍以上の開きがあることがお分かり頂けると思います。
また同じ立地A~Eを、今度は営業利益率の前年比100%以上の店舗数割合のグラフにしたのが下記です。
同じ立地Aでも、売上高前年比と営業利益率前年比では、100%超えの店舗数割合が異なっているのが、お分かり頂けると思います。
こうした立地ごとの差は、例えば新規出店の際の目安にお使い頂けます。ぜひ、立地Aがどこなのか、立地Bはどこなのか、本書でご確認ください。
活用方法③ 伸びている商材を知る
上記グラフは、『Book』『文具』『レンタル』『セル』『飲食料品・雑貨』『ゲーム・トレカ』の6商材を、売上高前年比が高い順に並びなおしたグラフです。
さらに同じ商材A~Fの、商品回転率がこちらです。
これらの数値から、今伸びている商材は何なのか、商品回転率の高い商材は何なのかを知ることができるので、“今自店に置くべき商材”の指標にすることが出来ます。
4. 書店経営指標の購入方法
上記分析をはじめ、他にも様々な「儲かっている書店の数字」を知ることが出来る書店経営指標の最新版は、2019年8月6日にリリースされた『書店経営指標2019年版』です。
『書店経営指標2019年版』B5判58ページ 本体1,500円+税
第一部:企業編 / 第二部:店舗編 / 第三部:商材編 / 第四部:働き方改革に関するアンケート結果 / 第五部:過去5年間の指標
それぞれお客様の属性によってご購入方法が異なりますので、該当箇所をご選択ください。
②出版社様
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③他帳合の書店様、一般ユーザーのお客様
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いかがでしたでしょうか?
『書店経営指標』が、全国の書店様の健全経営の1つの指標としてお役に立てることを、私たちスタッフは強く願っています。
次回以降、『書店経営指標』のより具体的な活用方法もお伝えしますので、よろしければぜひそちらもご覧ください。