ソーシャルメディアは、「自店の取組みやサービス認知拡大のため」「お客様との接点を増やし、自店のファンを作りたい」などたくさんのメリットがあるため、運用を始める書店が増えています。積極的な活用を推進して行きたいですね。
しかし、それ故にトラブルや炎上のリスクもあることを忘れてはいけません。そうしたリスクを最小限にするために、「やって良いこと」「だめなこと」「トラブル発生時の対応」などを事前に定めておくことが大切です。
1.投稿する際のルール
ソーシャルメディア運用の属人化を防ぎ、投稿のクオリティを守るためにも、運用上のルールを定めることは、様々なリスク回避に繋がるだけでなく企業(自店)イメージの維持・向上にもつながります。投稿の際に注意したい、下記項目を確認しましょう。
※「投稿」=アカウントへの書き込み、他者の書き込みを再投稿(シェア・リツイート・リポストなど)すること、他者の書き込みに反応すること(「いいね」「♡」などを付けること、コメントすること)
① 私的な投稿を行わない
企業名(店名)や企画名を冠したアカウントでは、私的な投稿を行わないこと。ブランディング目的で、直接業務に関係ない「ゆるい投稿」を行うことはあっても、必ず企業(お店)としての発信である旨を忘れないでください。
② 誤爆をしない工夫をする
誤爆とは相手を間違える、変換ミスによる意図しない文章を送るなどの投稿ミスのことです。このようなヒューマンエラーを起こさないように、内容や使うアカウントを投稿前に再度チェックしましょう。使用するPCを限定することも有効です。
③ 未公開情報を投稿しない
自社の業務に関する未公開の情報は投稿しない
④ 機密情報を公開しない
個人情報やお取引先に関する、未公開の業務情報などは開示しないこと。SNS を活用した販売施策(例:ハッシュタグキャンペーン)などで個人情報を取得する可能性がある場合は、「個人情報保護規程」を遵守しましょう。
⑤ 風説を広めない
確かな情報に基づかない内容を投稿しない。
⑥ 自社のお客様、取引先、社員を守る
本人の許可なく、お取引先や社員について言及したり、個人名を記載しない
⑦ 他社のブランド・商品・社員などに対するネガティブな発言をしない
他社および社員の名誉を棄損するような投稿は、絶対にしない(具体名がない投稿も×)。
⑧ 批判的、挑発的な投稿をしない
アクセス数や注目度を高める目的で、いわゆる「炎上」を意図的に起こすような投稿はしない
⑨ やらせ行為と誤解を受けるような投稿は避ける
運用者自らが身分を隠し、第三者であるかのような立場で投稿しない。
⑩ デリケートな話題、賛否両論を呼ぶ話題に言及しない
世の中にはいろいろな考え方を持つ多くの人がいます。デリケートな話題や賛否両論を呼ぶ話題に言及するのは避けましょう。例えば、政治、思想、宗教、歴史の解釈、ジェンダー(性別) など…のジャンルには注意しましょう
⑪ 知的財産権・肖像権・プライバシーの尊重
知的財産権には、著作権(文芸、絵画、写真等の著作物)や意匠権(デザイン等)、商標権(商品名、マーク等)が含まれます。これらの権利を侵さないよう、細心の注意を払いましょう。文章の引用は、短い引用の範囲内にとどめると同時に、情報元を明記してください。
近年、写真を掲載するケースが増えています。掲載する場合は、著作権のほか、プライバシー権や肖像権を侵さないよう注意しましょう。
2.アカウントの管理
① セキュリティーについて正しい理解を持つ
ID・パスワードの保護や定期的な変更、アカウント乗っ取り被害の防止など、常に情報セキュリティの正しい知識を持ち、適切な利用を行いましょう。
② 担当者変更の際、きちんと引継ぎを行う
アカウント運用から離れる場合は、必ず後任の方に引き継ぎを行い、管理者不明のアカウントができないようにしましょう。
③ 開設したアカウントを放置しない、使用しなくなったら廃止する
投稿をしなくなった場合は、できるだけアカウントを廃止した方が良いでしょう。投稿しないままアカウントを残すことは、外部に対して怠慢なイメージを与えたり、セキュリティ上のリスクになったりする恐れがあります。
3.トラブル時の対応
① 間違いに対しては、真摯に対応する
万が一間違えてしまった場合は、迅速に謝罪・訂正の対応をとる必要があります。インターネット上で発信した情報は、永久に消えずに残る可能性があることを理解し、慎重に発信しましょう。
② 他者からのネガティブな反応に対して、個人の判断で動かない
投稿した内容を見た他のユーザーから批判的な反応を受けた場合、担当者個人の判断で反論を行うことはせずに、上司に報告しましょう。
③ 担当アカウントで炎上やトラブルの恐れがある場合
他のユーザーとトラブルになる恐れがある場合は、速やかに店長に相談しましょう。