2019年11月22日
2019年度
書店の売上の動向は
どうなっていたのか?
『書店経営指標2019』では、アンケートにお答えいただいた書店様の売上高前年比を集計しています。
※調査期間は2018年の店舗ベースの実績値です。
それによると全体平均は97.2%になりました。
全体平均なので、レンタルビデオや文具などを導入している店舗も含まれた平均になっていますが、全体の60%近くがBook専業店舗なので、いわゆる「書店事業」を代表する数値といえます。
※ちなみに当冊子では、「専業」を主事業の売上構成が80%以上としています。
「書店事業」では雑誌・書籍のBookだけでなく様々な商材を扱っています。商材としての「Book」の前年比は98.8%なのですが、ここ数年、全国で導入が進んでいる「文具」は119.9%と順調に伸びており、今では”書店事業”の売上を支える重要な商材になっています。
売上動向の良い書店はどういう立地だったのか?
小売業にとって店舗を構える「立地」は売上を左右する重要なファクターです。
では、立地ごとにみた書店の売上動向はどのようになているのか。下記の表から見てみます。
立地別では、
「駅前」が99.2%と最も高くなっており、「郊外」では95.8%と最も低くなりました。
「郊外」という立地は、幹線道路付近にあって、広い駐車場があり、レンタルビデオやCDセルなどを一緒に扱っている店舗をイメージしていただければ良いです。
やはり、昨今のサブスクリプションなどの影響でビデオや音楽のレンタルやセル事業は厳しい環境にあり、その商材の売場を多く持つ「郊外」立地の店舗が影響を受けています。
また、もう少し長い期間で売上高前年比を見るとまた違う面も見えてきます。
2014年版を100として6年の推移をみてみましょう。
全体的に下降傾向ですが、比較的落ち幅が小さかった「駅ビル」「駅前」が2017年度ごろから急激な落ち込みになっています。ちなみに2016年8月には「Amazon Kindle Unlimited」のサービスが始まりました。文芸書やビジネス書などの単行本の売上シェアの高いこの2つの立地が影響を受けたのものとなりました。