2020/3 出版流通学院
みなさんは、書店にどれくらいの頻度で行きますか?
週に1回?2回以上?学校や仕事帰り、休日など、その時訪れるお店の場所によっては、月に1回というところもあるでしょう。
そんな、書店に足を運んだ時、いくら使いますか?
お目当ての本があるとき、ふらっと立ち寄っただけ、だったはずなのに・・・気づいたら2、3冊を手にして店内を歩いている場合もあるでしょう。
今回は、みなさんが ❝ 書店で1回に使う金額 ❞ についてみていきたいと思います。
お客さん1人あたりが1回の購入で支払う金額の平均のことを ❝ 平均客単価 ❞ といいます。
平均客単価 2017年度 – 2018年度の比較
※平均客単価は店舗全体の買上金額
2018年度の平均客単価は1,331円、2017年度は1,599円でしたから、268円少なくなってしまいました。。。
小さい書店から大きい書店まで、書店にはいろいろな広さのお店がありますので、次は、お店の広さ別にみてみます!
平均客単価 本の売り場坪数別の比較
※坪数は店舗全体の売場面積
全体的に、どの広さのお店も平均客単価は少なくなっていて、36円~465円の減少となりました。
お店が広くなればなるほど、平均客単価は高くなる傾向にあり、2018年度、100坪以下では1,199円ですが、401坪以上では1,510円となっています。
お店が広ければ、その分、置いている商品も文房具や雑貨、ゲームやトレカなど多様になり、扱う本のジャンルも専門書や写真集など1冊1冊の値段が高いものも置けるようになるからです。
では、お店が広ければ、お客さんが使ってくれる金額が多いから、お店の売上も高いのでしょうか?
いえいえ、そう単純なものでもありません。それについては、下のコラムで詳しく説明していますので、よろしければご覧ください。
▶「書店の運営にかかる費用をシミュレーションしてみる~part1」
▶「書店の運営にかかる費用をシミュレーションしてみる~part2」
お店の売上を上げたい!
先に、平均客単価が下がっているとお話しましたが、お店の売上を上げたい!と考えたとき、どうしたらよいでしょうか?
お店の売上を上げる方法は、大きく2つしかありません。
購入してくれるお客さんの数を増やすか、1人あたりの購入金額を増やすかのどちらかが基本になります。
売上 = 購入客数 × 平均客単価
もう少し分解してみると!
売上 =(新規+リピートのお客さん数)×(1商品の単価×購入数)
本の場合、同じ新本はどこで買っても同じ物で、同じ値段。1商品の単価にもそれほどの開きはありません。文庫だと数百円~千数百円、単行本だと千数百円~数千円になります。
他の小売業や飲食業、サービス業のように、お店のサービスやアイディア次第で、客単価を上げる工夫をしたり、お客さんの数を増やすのはちょっと難しいですよね。
書店の平均客単価を上げるには、本以外の商品やサービスを取り入れたりすることが多くなっていますが、本だけで考えた場合、お客さんに1冊を手にしてもらったのならば、プラスして2、3冊目も一緒に買ってもらう、または、手にしたその1冊の値段が高いことが客単価UPにつながります。
そのため、お店では、店内の装飾や棚に手を加え、商品の陳列にもこだわり、商品1点1点がお客様の目に留まるようにPOPをつけたりと、本との出会いをつくる様々な工夫をしています。その時旬なテーマでフェアを行ったり、商品自体の品揃えにも工夫を凝らしたお店も増えていますね。
さあ、今日も書店に寄り道して帰りましょう。