2020/3 出版流通学院

日本の書店の軒数を調べるのは意外と難しいですよね。特に都道府県別や市区町村別などとなると手間もかかります。

弊社では日本の書店数の調査を毎年行い、『出版物販売額の実態』として発表しています。
その中から、今回は書店数や坪数の上位の都道府県がどこかみてみます。

 

『出版物販売額の実態2019』の商品概要 ▶

コラム「日本の書店の軒数を調べるオススメの3つの方法」 ▶

 

※弊社『出版物販売額の実態』の書店数調査は、新刊書籍・雑誌売場のある書店を集計したものです。したがって扱う商品が「本」のみの店舗だけでなく、「新刊書籍・雑誌」を起点にしながら文具や中古本など様々な商材と扱っている店舗を含んでいます。

日販出版流通学院_日本の都道府県別の書店店舗数・坪数

2019年度都道府県別書店数・坪数TOP10
~弊社『出版物販売額の実態2019』より

2019年度の調査では、書店数が多い県、坪数が多い県の上位はこのようになりました。

順位    店舗数(店)      坪数(坪)
1 東京 1,040   東京都 76,618
2 大阪府 591   愛知県 52,754
3 愛知県 535   神奈川県 41,521
4 神奈川県 530   大阪府 41,418
5 埼玉県 486   埼玉県 41,093
6 千葉県 450   北海道 40,240
7 北海道 447   千葉県 36,131
8 兵庫県 357   福岡県 31,384
9 福岡県 297   兵庫県 30,838
10 京都府 263   新潟県 22,884

上位から並んでいる県をみると、やはり人口数が多くマーケット規模も大きい大都市ですね。マーケットの規模が大きいほど、書店軒数も多く、競争関係が厳しいものといえます

では、次にその街に住んでいる人口当たりではどうなるかみてみましょう。

2019年度 人口当たり書店数・坪数TOP10

上記と同じ2019年度調査で、人口1万人当たりに換算した時の書店数と坪数の多い県はこのようになりました。

順位 店舗数(店)   坪数(坪)
1 石川県   1.34   香川県   133.73
2 福井県   1.30   富山県   110.05
3 香川県   1.16   新潟県   102.05
4 鳥取県   1.12   石川県   99.22
5 徳島県   1.06   鳥取県   94.70
6 京都府   1.05   滋賀県   90.88
7 富山県   1.04   秋田県   88.59
8 和歌山県・山梨県 1.03   愛媛県   87.78
9 栃木県・岩手県   1.02   徳島県   86.63
10 秋田県   1.00   岡山県   85.45
  平均   0.78   平均   66.08

いかがでしょう。
先ほどの上位リストとは全く違う都道府県になりました。
石川県では人口1万人当たりの書店軒数は1.34軒で一番多い県になりました。
県の中でも特定地域に集中しているケースもあるかもしれませんが、それでも全国平均の約2倍という数値はすごいですね。

上位の県の特徴や共通点はいろいろとあるでしょうが、すべてを洗い出すことは困難なので、ここでは触れないことにします

まとめ

全国の書店数が減少している中でも数字の大小だけでは見えないこともあります。
ここ数年の出店傾向の一つに、個性派書店や独立系書店など坪数が小規模であっても、本と出逢える書店を新しく始める方が多くなってきたということがあげられます。
その意味では、坪数の大きさは品揃えと無関係で、街に書店があるかというタッチポイントの多さが読者にとって大事な事とも言えますね。自分の住んでいる街に書店が多いといいですよね。


私ども出版取次の役目も昨今の業界構造の変化に対応するだけでなく、リアルな書店を残して紙の本に触れるタッチポイントを支える事にあります。

さぁて、今日も書店に寄り道しましょ。

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