2020年2月7日

1.「タッチポイント」とは?

~~~ 本との接点 ~

昨年に続いて、

出版物のタッチポイント別市場規模について、

2017年度-2018年度の比較を掲載します。

❝出版物❞ が読者のもとに届くまでには、さまざまなルートがあり、

「書店」「コンビニ」「インターネット」「電子出版物」

「図書館」「教科書」「中古本」など、その場所や手段もいろいろです。

「出版物販売額の実態」では、その接点を ❝タッチポイント❞ と定義し、

各タッチポイントの市場規模をまとめています。

ここでは、主なタッチポイント別の市場規模を見てみましょう。

業界全体の現状や動向、傾向を知ることができます。

 

昨年の「タッチポイント別市場規模」のページ

2.「書店」の市場規模

下記グラフは、

「書店」の市場規模の推移をグラフで表したものです。

2018年度の市場規模は、9,455億円(前年比92.2%)でした。

「書店」の市場規模減少に歯止めかからず、1兆円を切る

紙媒体の出版物、雑誌や書籍の売れ行きは年々減少しており、

2018年度の「書店」の市場規模は、1兆円を下回る 9,455億円となりました。

5年前の2014年度は、12,255億円でしたので、約23%の落ち込みとなります。

また、市場規模の減少とともに、閉店する書店は増え続け、

2018年度の全国書店数は、9,692店となり、ついに10,000店を切りました。

この5年間の閉店数は約1,500店にもおよび、書店数の減少が続いています。

 

   ▶ 「書店数と本の売場坪数から見てみる」 のページ

3. タッチポイント別の市場規模

下記グラフは、

タッチポイント別の市場規模を構成比で表し、

2017年度と2018年度を比較したものです。

2018年度の1位は、50.3%を占める「書店」の9,455億円となりました。

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇2017年度 タッチポイント別市場規模 構成比(%)

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇2018年度 タッチポイント別市場規模 構成比(%)

1位の「書店」は2.9 pt 減、2位の「電子出版物」は3.6 pt 増

変わらず市場の半数を占め、トップを維持している「書店」ですが、

その割合は昨年より2.9 pt 減少しており、50.3%となりました。

2位の「電子出版物」16.1%、3,035億円は、1位にはまだまだ開きがあるものの、

その割合は昨年より3.6 pt 増加しています。

3位の「インターネット」11.1%、2,094億円も、

その割合を昨年より0.8 pt 増やしております。

インターネット及びスマートフォンやタブレット端末の普及が進む近年、

今後もその割合は増えていくことでしょう。

「構成比」は、8つのタッチポイント別市場規模の合計から算出
📚 書店                       ▶ 実店舗を持ち、出版物を販売する小売店
🏪 CVS                       ▶ コンビニエンスストア
💻 インターネット  ▶ インターネット上の書店、紙媒体のみ
📱 電子出版物          ▶ 電子書籍、電子コミック、電子雑誌
                                          PC、モバイルデバイス上で閲覧可能な商業出版物のデジタルコンテンツと定義
                 学術ジャーナルは含まない
🏫 図書館                  ▶ 小中高校、大学短大高専、公共図書館の図書購入額
📙 教科書                  ▶ 小中高校、特別支援で使用される教科書と教師用指導書の販売額
📘 中古本               ▶ 新古書店と古書店
🚉 その他店舗          ▶ 大学生協、駅、スーパー、ドラッグストア等のスタンド店